空き家問題とその背景~空き家が増えている理由

テレビなどでもよく取り上げられていますが、全国で古い空き家が増加している「空き家問題」が深刻化しています。2013年度で800万戸を超えているので、もうそろそろ1000万戸を超えてくるのは時間の問題かもしれません。2015年に空き家対策特別措置法が施行され自治体が強制対処可能になることで空き家問題は解消されるのか?

空き家問題について少し考えてみたいと思います。

空き家が増えてる理由は何なのか?

まずは、なぜ空き家になっているのか?その背景と増加する理由を考えてみます。

  1. ①人気のある中古住宅に集中する
  2. ②高齢化・核家族化が進んでいる
  3. ③新築の過剰供給
  4. ④空き家を残した方がメリットがある

①人気のある中古住宅に集中する

空き家にするぐらいなら他に利用方法があるはずでは?と思い、賃貸に出すなど誰しもが考えますが、中古住宅が増えている状況化では、他の住宅と差別化できないと中々賃貸でも借り手が現れません。実際に自分が借主となる事を考えてみた場合、どうしても利便性の良さ、自分の生活環境に合う住宅を探すはずです。いくら住宅が良くても、立地が悪ければ選ばないはずです。

その為、中古住宅が多くある場合、人気のエリアだったり、立地の良い人気物件から埋まるため、どうしても利便性の悪いエリアの住宅は空き家になりやすいと言えます。

ただし、利便性が悪いからと言って賃貸に出来ない事はないはずです。上記で立地の話しをしましたが、例えば、立地よりも賃料に重きを置いている場合、安い物件であれば借りる可能性がありますよね?

賃貸に出してなるべく多くの利益を出そうと考えれば、適正な価格に設定しないといけませんが、固定資産税が払える金額くらいもらえればいいと考えるのであれば、結構安い賃料で募集をかけられるはずです。無理に低くする必要はありませんので、多少利益が乗るくらいの金額に設定してもいいわけです。

人気の中古物件に集中し、貸したくても借り手がいないと思って空き家になってしまっている中古住宅は多いですが、本当に探している人に情報が届いているかどうかは疑問です。情報が届いていなければ当然、借り手が見つかる訳がありません。

②高齢化・核家族化が進んでいる

高齢化や核家族化が進むにつれて空き家は増えていきます。核家族化が進んでいるという事は両親と別々に暮らしている方が増えている証拠ですので、超高齢化社会になればなるほど、高齢者(自分の親)が住んでいる家は空き家になる確率が上がります。

核家族化が進むのは、仕事が都市部に集中している事もあり、地方で暮らす事が難しくなってきている状況があります。地元を離れて暮らしていると当然、今現在は両親が2人で生活していたとしても、いずれ一人になり、寿命がきて空き家になったり、介護が必要になれば、介護施設へ入所することになり空き家になったりなどする事になります。

空き家が増えていくのは当然の流れです。増える事はあっても、自治体が強制的に動かない限り、当分減ることはないでしょう。

③新築の過剰供給

田舎でも都市部でもそうですが、新築住宅の建設をよく見かけますよね?実際に新築住宅建設は年々増加傾向にあり、これだけ空き家が増えてる状況にもかかわらず、増加している状態です。

中古物件をリフォーム・リノベーションするのが人気と言っても、やはり日本の場合は新築住宅の方が人気が高いんです。

中古物件が余っている状態なので新築物件はそんなに必要ないわけですが、新築が過剰供給される事で、当然新築から埋まり、空き家は増えていく事に繋がってしまいます。

④空き家を残した方がメリットがある

よくメディアでも言われている、空き家を残した方がメリットがあるという事が理由となって空き家が増えていること。通常、空き家を解体して更地にした方が、土地を活用できたり売却しやすかったり、近隣への影響も考えて良いことなのですが、空き家がある事で固定資産税を軽減できる特例がある為、空き家を解体せずに残している方が多くいます。

実は家が建っている場合、その土地は住宅用地として認められ、土地の固定資産税が1/6に軽減される特例を受けているんです。それが空き家を解体すると特例を受けられなくなり本来の固定資産税を支払う必要がでてくるため実質支払いが多くなるのです。

当然、高くなるのは嫌なので、問題は後わましにしてとりあえずは放置しようと考える人がいてもおかしくありません。

需要のある都市部でも空き家が増加している

実は地方だけの問題と思いきや都市部の方が深刻な問題と言えるかもしれません。都市部の空き家だけで3割を超えている現状があります。需要がある都市部でどうして空き家が増えているのか?と疑問に思うのですが、需要はあってもビジネスとして活用するノウハウがなければ失敗する可能性があり、もったいないと分かっていても踏み出せていない所有者が多いと考えられます。

実際に新築なのにまったく埋まっていない住宅があったりします。おそらく現在の生活スタイルと合っていなかったり、その土地に合う提供ができていないと考えられます。

失敗例として、よくオーナーの趣味が反映されている物件ってありますよね?外観からすさまじい...少数であっても響く物件であれば良いのですが、そうではなくオーナーの独りよがりな物件の場合、自ら入居者を絞ってしまい、入居に繋がらないケースがあります。

ノウハウをきちんと持っていない所有者が増える事、ノウハウを所有者に伝えられる人がいなければ、今後都市部でも空き家は益々増えていくと考えられます。

まとめ

よくメディアなどでは固定資産税が増えるが理由で空き家が増加しているように言っていますが、上記で言ったように、固定資産税が増えるからも含みますが、他の理由もあり増加しています。

2015年に空き家対策特別措置法が施行された事で「空き屋問題」も解決するかと言われていたりしましたが、現実はそんなにあまくありません。空き家の所有者がわからない、連絡先がわからない、亡くなった方が所有者になっている、法律ができたと言っても、段階を踏んで強制対処しますので、時間がかかります。その間にも空き家は増えるので、この法律が出来た事で多少は空き家問題が解決しますが、ほとんど機能していないのが現状です。

空き家問題は様々な理由があり、深刻化しています、人口が減少している状況化で世帯数が増えているため、今後ますます空き家は増加傾向になっていくので解決するのは厳しいと考えられます。